OLお仕事日記

日常のこと、副業のこと、お仕事のこと、つれづれと書いています。

愛すべき、あるおじさんたちの日常。

昨日うどん屋さんに入った。

昼食でさっと寄れる位置にあって、本格的な讃岐うどんが味わえる「甚三」と言うお店がある。麺は太め。関西で見かけるように、つゆは色は薄いのにしっかりとだしの風味があるうどんだ。いつもお昼時にいくと長蛇の列ができているが、少し時間をずらすと並ばずに入れる。

昨日もいつものように13時を過ぎた頃にお店に入った。食べていると、長テーブルの向かい側に3人のおじさんが座った。3人とも50代くらいで、皆同じように白髪があって、くたびれたスーツに、メガネをかけていた。

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そうすると、真ん中のおじさんが、左のおじさんに、いかにこのお店のうどんが美味しいか、そして何を頼んだらいいか、丁寧に説明を始めた。(ここからは真ん中おじさん、左おじさんを呼ばせてもらう)それはもう我が子にするくらいの優しい口調で。「豚肉のうどんが美味しいんだよ」「だしが効いていて•••」なんて。

これはあくまで自身の主観だが、うどんを食べるときにそこまでこだわって選んでいる・食べている人は少ない。さっと美味しく食べる。熱々のうちに食べる。といったことくらいだ。

そのまま、おじさんの思いは止まらない。

いざうどんが運ばれて来た。真ん中おじさんは左おじさんに「こっちも美味しいからシェアしよう」とうどんシェアを申し出ていた。女子か!思わずツッコミそうになった。うどんシェア。女性だがうどんのような食べ物でシェアしたことがない。

ちょっと失礼だが、これを若い女性がキャキャっとしてやっていれば自然なのだが、おじさんがしていると、何ともほのぼのとした思いがする。

きっと真ん中おじさんはこのお店のファンだと思う。お店が宣伝しなくても自然にお客さんを連れてきてくれる。こうしたお店への愛着を知るための指標は、マーケティングでは、「NPSスコア」と言う指標で表される。アンケートから「推奨者」「中立者」「批判者」の3つに分け、この比率から顧客ロイヤリティを見るのである。

NPSとは「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標です。NPSが上位の企業は高い事業成長率を保っており、NPSを導入することで収益向上を実現しようとする企業が増えています。 

この真ん中おじさんのような、人に実際にお勧めまでしていた熱いお客さん。(推奨者)こうした行動を起こす人は非常に少ない。人の熱い気持ちを、温かな思いで眺めていた。その人の本質はこう言う所に出るものなのだと思った、昼下がり。