OLお仕事日記

日常のこと、副業のこと、お仕事のこと、つれづれと書いています。

西口一希さん「顧客起点マーケティング」。今マーケティングを頑張っている人にこそ読んでほしい良書でした。

自分なりのGWの課題「顧客起点マーケティング」を読みました。

著書はスマートニュースの執行役員西口一希さん。単行本だと2160円と、パッと見は少し高めですが、それ以上の価値がある本でした。

 

 

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)

www.shoeisha.co.jp

 ▼目次

第1章 マーケティングの「アイデア」とN1の意味
漠然と顧客全体を捉えた一般的な調査では、人の心を動かす「アイデア」はつかめない。
実在する「一人の顧客=N1」の行動と心理を分析し、強い「アイデア」を生み出す。

第2章 【基礎編】顧客ピラミッドで基本的なマーケティング戦略を構築する
ターゲット全体に「認知/購買経験/購買頻度」を調査し、5つに分類する「顧客ピラミッド」を作成。
具体的な顧客数を把握し、狙うセグメントを定めて施策を展開し上位移行を促す。

第3章 【応用編】9セグマップ分析で販売促進とブランディングを両立する
顧客ピラミッド(5セグマップ)にブランド選好の軸を加え、9セグマップを作成。
図の左から右方向への顧客数の推移を販売促進、下から上への同推移をブランディングの効果として把握する。

第4章 【ケーススタディ】スマートニュースのN1分析とアイデア創出
スマートニュースがどのような分析と施策をもってアプリランキング100位圏外からNo.1になったか、 競合ブランドと比較しながら時間軸の推移を解説する。

第5章 デジタル時代の顧客分析の重要性
Amazonにはじまり、UberAirbnbなど、デジタル時代には予期せぬ方向から競合が出現する。 自社の顧客層を徐々に奪われ一気にビジネスが崩れる事態を、顧客分析によって防ぐ。

 ▼著者

西口 一希(にしぐち かずき)
1990年大阪大学経済学部卒業後、P&Gジャパンに入社。マーケティング本部に所属、ブランドマネージャー、マーケティングディレクターを歴任し、パンパース、パンテーンプリングルズヴィダルサスーン等を担当。2006年ロート製薬に入社、執行役員マーケティング本部長としてスキンケア商品の肌ラボを日本一の販売数量の化粧水に育成、男性用ボディケアブランドのデ・オウを開発、発売し1年で男性用全身洗浄料市場でNo.1に育成するなど、スキンケア、医薬品、目薬など60以上のブランドを担当。2015年ロクシタンジャポン代表取締役。2016年にロクシタングループ過去最高利益達成に貢献し、アジア人初のグローバル エグゼクティブ コミッティ メンバーに選出、その後ロクシタン社外取締役 戦略顧問。2017年にスマートニュースに参画。2019年現在スマートニュース 日本および米国のマーケティング担当 執行役員(Senior Vice President of Marketing Japan and USA)および Strategy Partners 代表取締役、Marketing Force 代表取締役(共同代表)。

 ▼感想

・本を読んだきっかけはアマゾンのレビューでした。発売して日が浅いのに星5つと異常に評価が高いマーケティング本があり、なんだとうろと思って目次を見始めたのがきっかけです。実際に手に取ってみると予想以上に濃い内容に驚きました。

・特に印象に残った箇所が2つあります。1つは1章のアイディアのお話。便益があるかどうか、独自性があるかどうかでそのアイディアが本当に有効なアイディアかどうか分かるというお話でした。

独自性があり、便益があれば「アイディア」→さらに・・・

独自性があり、便益がなければ「ギミック」

独自性がなく、便益があれば「コモディティ

独自性がなく、便益がなければ「資源破壊」

さらにアイディアの中にはプロダクトアイディア(商品自体の独自性と便益)とコミュニケーションアイディア(プロモーションなどの独自性と便益)に分かれます。「商品もよくって、プロモーションも話題になったけれど、全然売れなかった」ということは、コミュニケーションアイディアに対し、独自性があっても便益がなかった場合に起こります。

また、自身も含めて、広告会社で働く人の場合、コミュニケーションアイディアを考える場合が多くなると思います。独自性・便益の考え方を、ここまで明文化している書籍に出会ったことがなく、大変勉強になりました。同時にそこまでマーケティングに特化しているスマートニュースに興味が湧くようになりました。

・もう1点の印象に残った点はブランディングと販売促進を可視化した図です。書籍の中では9セグマップという名称になっています。これは、ブランディングでどのように消費者に影響があるのか、効果を可視化し次に進む方向性を明確化することができます。この章も大変面白かったです。

 

総じて大変勉強になりました。特典として、全図版・エクセルシートがついていましたので、これからダウンロードし、もっと活用したいと思います。

マーケティングの入門書というよりは、今現場で頑張っている人にこそオススメしたい書籍でした。

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)