半沢直樹風の書籍が面白い!
林 總(はやしあつむ)さんの管理会計の書籍を読みました。
決算書が読めるようになりたくて、「決算書入門!」系の本を読むのですが、不思議なことに開くだけですやすやしていました。
そこでたまたま手にとったのが、林 總さんの書籍です。
管理会計書が半沢直樹風のストーリーで描かれていて、粉飾、横領など会社の不正を暴き、株主総会で倍返しするまでが痛快に描かれています。難しい言葉も少なく、棚卸しの現場の話や経理が普段していることなど、いつもとは違った視点で考えることができました。ここからは書籍の概要です。
主人公の背景が悲しい
主人公の団達也(だん たつや)は東京大学を卒業後、コンサルティング会社に入社しました。順風満帆・自身もたっぷり。担当した会社は本当につぶれそうな会社でした。そこで、立て直しの案を提案、その内容を信じた社長は素直に案を実行しました。その結果業績はさらに悪化。ついには倒産してしまいます。社長一家は自殺へ。その経験から深く傷つきコンサルティング会社を去り、シンガポール大学に入り直し徹底的に勉強し、主席で卒業しました。
(ただ頭が良くて努力家というだけでなく、こんな悲しい過去があったのですね。)
外資系の会社から内定がきていたもののすべての誘いを断り、自分を厳しい環境に置いて経験を積むため、恩師に紹介された売上高100億円の「ジェピー」に入社を決意します。
入社直後から資金ショート
教科書で学んでいたので、知識は豊富にあるものの、現場の会計は最初はよくわかりません。そこで周囲の人に助けてもらいながら少しずつ会社の内情を調べていきます。
するとさっそく、毎月の社員の給料が足りないことが発覚します。
(それはやばい…借りられなくなったら倒産が見えてきますね)
銀行からの借り入れで補い、しのぎます。
横領・粉飾に気づく
さらに調べていくと、パートナー企業とそっくりの別会社があることに気づきました。(玉川梱包に対し王川梱包)発注は玉川梱包なのに、支払いは王川梱包に入金しています。単価が徐々に増えていることから、王川梱包への支払いで何者かが中抜きをしていることが発覚します。
加えて、単価1億円の機器が循環取引に使用されていることに気づきました。横領、粉飾。真っ黒です。怪しい人物を突き止め専務に突き出しましたが、飛ばされたのは主人公の達也でした。暴いてはいけない闇だったのか?
異動先は愛知の工場
都心のビルから一転愛知の工場へ。異常な棚卸しや、怪しい出荷。全く動いていない高価な機器を見ているうちに、ここでも不正に気づきます。ここでは、棚卸しの際に素材をつくりかけの商品と見せかけて、粉飾していたことがわかります。さらに、でっち上げの取引もありました。
監査に来ていた会計士を使って、不正を暴いてもらうことを思いつきます。「表面だけで本質が見えていない!」など言葉で巧みに誘導し、会計士を見方につけることに成功します。
決着は株主総会で
株主総会でついにしっぽを出した真犯人・専務を追い詰め、警察に通報。とうとう一連の不正の犯人を捕まえることができました。
(土下座まであったら完璧でしたが、そこはなかったです。笑)
そして会社を立て直すため団達也は役員に昇進。新たなミッションに向かっています。
いやー面白かったです!
本を読むのが遅いのですが半日で一気読みしました。会計に興味を持つきっかけをつくるにはぴったりだと思います。ちなみに林 總さんはこの他にも
50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?
など人気の書籍をたくさん出されています。(こちらも読みました!イッキ読みでした。)漫画になっている作品もあるので、林 總さんの本をもっと読破していこうと思います♪